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2007年12月07日

保険と共済の双方に加入している場合の支払いは?

kaji3.jpg損保ジャパン 代理店ユトライフの田中です。
火災保険と火災共済の双方に加入している場合の支払いはどうなるかご存知ですか?

まずは、保険と共済の違いについて見てみましょう。


■共済とは 
共済とは一定の地域や職場で繋がる者で構成される団体において、構成員が掛け金を拠出し、不慮の事故によって生じた経済的損失を相互に救済する制度であり、保険の制度と類似したものとなっています。なお、共済事業には法令上の根拠を持つものと持たないものが存在しています。


■保険と共済の相違
一般に保険事業と共済事業の相違は、
@契約者成員の資格の制限とその同質性の有無(共済事業は、職域、地域、宗教等を同一にする団体によって営まれる。)
A事業規模の大小
B掛金算出方法の科学性の有無
C給付反対給付相当の原則の有無
D募集組織の有無
E相互扶助精神の濃淡(危険選択の有無を含む。)

等にあると従来されてきたが、これらの基準は相対的なものであって、あくまでも一つの目安にすぎません。

現実にも、現在各種の組合によって行われている共済事業の中には、全国共済農業協同組合連合会の『農協共済』、全国生活協同組合連合会の『県民共済』および全国労働者共済生活協同組合連合会の『こくみん共済』のように、前述の判別基準に照らせば、相当保険事業的色彩が濃く、加入者数も全国的に相当な数にのぼって、民間保険事業と競合関係にあるものもあります。


■共済は事業安定性に一抹の不安が残る?
保険業法は、これらの共済事業については規制の対象としていません(保険業法2条1項)。保険会社に対しては保険業法等によって厳格な規制が加えられていますが、共済組合等に対してはその根拠法により規制状況はまちまちであるのです。また、共済はその支払い能力が法的に担保されていないことなどから、保険と比べて一般的に事業の安定性に一抹の不安が残ります。



■共済契約と保険契約の関係
共済契約は原則として保険契約とは別のものであり、共済給付金は保険金とは別個に支払われるものであります。しかしながら、全共連(農協)の自賠責共済のように自賠責保険と全く同じ内容のものもあり、その他でも両者はほとんど類似の機能を果たすものも多いです。したがって、定額払の契約は別として、実損害を補償する契約については公平の観点から重複保険と同様な調整をする必要があるのではないかと考えられる局面が出てくることになります。

このことに関し、自動車保険と自賠責保険、火災保険について整理すると次のようになります。

■自動車保険と自賠責保険の場合は?
自動車保険と自賠責保険は前者が後者の上乗せ保険として機能するものでありますが、この関係は自動車保険と自賠責共済、自動車共済と自賠責保険の間でも同じ取扱いになります(たとえば、自家用自動車総合保険普通保険約款賠償責任条項1条、13条)。

通常はまず先に自動車保険で被害者に一括払いした後に保険会社間で自賠責保険に対する求償が行われるが、一方が保険、他方が共済の場合に、損害保険会社と全共連との間では被害者に対する補償がスムーズに行われるように相互に一括払いの取扱いがなされています。

また、保険金や給付金を支払うべき自動車事故が発生した場合に、同一危険を補償する内容で自動車保険と自動車共済双方に付けられているときは、自動車保険約款の重複契約に関する規定(たとえば、自家用自動車総合保険普通保険約款一般条項18条では「他の保険契約等」として共済も含められる規定となっている。)により、自動車共済と支払い分担されることになっており、全共連以外の共済との間でも分担支払いが行われています。


■火災保険の場合は分担支払い?
これに対して火災保険の場合には、「他の保険契約がある場合の保険金の支払い額」の対象となる共済が中小企業等協同組合法に基づく火災共済協同組合との間に締結さ火災共済契約に限定されて明示されており(たとえば、住宅総合保険普通保険約款33条)、重複する契約がこれに該当する火災共済契約(各県の火災共済協同組合、全国味噌火災共済協同組合、全国製綿火災共済協同組合の火災共済契約)の場合は、分担支払いが行われます。

しかしながら、これら以外の火災共済契約(たとえば、全労済や農協共済の共済契約)については他の保険契約とはみなされていないので、原則として支払い分担は行われません(ただし、保険会社や約款により違い、損保ジャパンの新火災保険普通保険約款では第20条において「共済契約」全般を他の火災保険契約とみなして取り扱っている)。

共済側で支払い分担の規定を設けているものもあり、また仮にそのような規定のない場合においても、補償内容の重複する保険契約と共済契約が存在していたことが分かった場合には、不当利得(民法703条、704条)の防止の観点から調整することは必要であるでしょう。

なお、傍論ではありますが、譲渡担保設定者が損害保険会社の火災保険契約を付け、譲渡担保権者が全共連の建物更生共済契約を付けていた場合において被保険利益は双方にあるとされた判例(最判平5・2・26判タ817-170)では、これらの保険契約と共済契約が支払い分担の行われる契約ではないにもかかわらず、裁判所は重複契約の調整が行われることを前提とした判断をしていると考えられ、一応参考になります。



■無認可共済への対応(保険業法の改正)
根拠法のない共済については、免許手続が不要でありニーズに即応して容易に設立できる一方、行政による監督が行き届かないため、近年では詐欺まがいの共済が出現し刑事事件となるケースも現れています。

このような状況から、保険業法が改正され、2006年4月から施行されることとなりました。改正保険業法では、無認可の共済は、対象者が特定の者に限定されている共済(例えば企業がその従業員に対して行うもの)と、それ以外の無認可共済に分けられます。

前者は改正後も規制対象外となるが、後者は免許を取得して保険会社になるか、登録を行って少額短期保険事業者になるかを選択しなければならないのです(移行期間は施行日から2年間である)。

少額短期保険事業者となると、引き受けることができる保険商品につき保険期間及び保険金額において制限を受けることになるが、資本金の要件が緩和され、登録制となります。ただし、募集規制については、基本的に保険会社と同様の規制に服することとなります。



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posted by 田中 at 10:07| Comment(0) | TrackBack(2) | 火災保険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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